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インク一滴

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山に登る。


近所の公園は山の麓にあって、原生林を残した標高220メートルほどの軽い山に登る事ができる。
山の入口にはお地蔵様がいくつも並んでいて、そこを通っていいものか、雰囲気に負けてしまい、
登山はずっと実行できずにいた。

いつかの春先に彼に誘われて山歩きをしたことがあった。
街なかの喧噪から離れた手つかずの自然をたいそう喜んでいた私だった。
そのことを彼は覚えていてくれたのか、その山に登る事を強く勧めてくれた。

彼は仕事前や休日、早朝に朝飯前に登ってしまうらしい。
何度も勧められたが、あまり気が乗らない私に、リス情報が届いた。
毎回リスに遭遇し、登山人からなにかもらったりもするらしい。

。。。リスに逢いに行こう。

休日の朝。
5時前に目覚め、リュックを背負い、ブーツをはいて出発する。
公園まで15分ほど歩く。
山の入口に到達する前に、木を昇降するリスを見かけた。

お地蔵様の前を通り、登り始める。
山頂までに88体のお地蔵様が配置されているようだ。

登りはけっこう息があがる。
ゆっくり登り、途中で下界を見渡しながら水分補給する。

三匹組みのリスが下山の方からクルミをもらっている。
茶色くてがっちりしたいい体をしている。
彼らが木に登るカサカサという音がしばしば聞こえる。
あとは鳥の鳴き声。

静かで、いかに下界が無粋な音で充満しているかを感じる。

一匹で、正面からこちらへ向かってくるリスがいた。
クルミを手渡すと、両手を添えながら口で受け取り、
その場でカリカリ食べ始めた。
野生動物に餌付け。
正しい行為なのか否かはわからない。

結構汗だくでなんとか山頂へ。
曇り空だが市街が一望できる。

朝飯前の小さな山だけれど、リスにも出会えて
クルミを喜んでもらえて、この充実感。
クセになりそうだ。








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