インク一滴

お風呂上がりの私を待ち構えていて、べたべたするのが好き。
まるで恋人のようなうちの猫。

特に好きなのが私の背中に乗り、後ろから肩に両前脚と顔を乗せること。。。
後ろから頬ずりしたり顎をかんだりする行為に濃い愛情を感じる。
後ろからそんなことをされると結構ぞくぞくしてしまう。
。。。恋人のつもりなのかもしれないな。

ある時気づいた。
同居猫の視線が、私を慈しむ様な性質のものであることに。
１２歳で亡くなった彼が７歳を超えた頃だっただろうか。

横向きに眠っているのに背中が重苦しく、
夜中に目覚めると、彼（猫）が背中合わせで眠っている。
猫にしては大きな背中はたくましく、お父さんみたいだと思った。

その時に、あの慈しむ様な視線は父性の現れだったのかもしれないと思った。

猫は人の何倍かのスピードで老いて行く。
子猫の時は子供のつもりでいたものだが、
いつの間にか私の年を超えて、私よりも年上になっていたのだ。
父親の様な思いで目を細めて私を見守ってくれていたと思うと、
笑える、と同時に泣けてしまう。

個々の性格もあるのだろうが、猫の微妙な距離のとりかたは、
私には心地よいものだ。

背中を向けているのに、しっぽの先だけちょっと触れていたり、
脚の間をわざわざ通り過ぎるのに、触れるか触れないかの距離を保ったり。。。

時に、抱きついて頬ずりしたり、顎をかんだり、
マフラーのごとく巻き付いたりと、激しいスキンシップ猫ぶりを披露することもあるが、
それはそれで嬉しい。

暑いときは寄り付かず、涼しくなってくるとくっついてくる。
自分の快感に忠実で、結構打算的。

。。。猫みたいな女になりたい。

お風呂上がりの太腿に飛び乗るのが好きだった彼。
最近は背中に乗り、後ろから頬ずり。。。
だんだん興奮してきて肩を甘噛み。。。
反対側も頬ずり、甘噛み。。。
ツボすぎてゾクゾクしちゃうんですけど。。。♪
あなたほんとに猫なの？？

家でお風呂に入るとき、年少猫がやってくる。
人が入浴中のお風呂の蓋の上で寝るのが好きなのだ。
湯船に体を沈める私の顔の当たりに彼の顔がきて、
鼻をくっつけ合ったり頭を人の顔にこすりつけたり。
ゴロゴロと喉を鳴らしてくつろぐ。
なぜかお風呂好き。

シャワーの時はお風呂のドアの前で待っていて、
上がった私の脚に背中をすりつける。
胸にバスタオルを巻くと、脚に前脚でもたれてくる。
しゃがんだ私の膝に飛び乗る。
膝の上でごろりと横になって喉を鳴らす。
胸に頭をこすりつけたり、肩に前脚をかけて頬ずりしたり、
恋人のような振る舞い。
お風呂上がりの私が好きらしい。。。

猫の個性も面白い。
マニアックな箇所や行為が好きだったりする。
それが気持よいからなんだろうけれど、
自分の気持よさを追求する態度は見習いたいと思う。
猫みたいに素直にわがままに。

丸顔で気のいい彼、２歳です。