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春のひかり2017-04-17 Mon 20:03
その日はよく晴れたうららかな春の日だった。 暖かくなって雪が融けてゆく。 長い間雪に閉ざされる地に暮らす者にとって、春は待ち焦がれた恋人のようにも思える季節だ。 そんな良い季節を迎えて、最後のデートの日がやってきた。 物事には終わりがある。 終わらない関係はない。 けれど、ああそうですか、で済ませることができるほど、自分の感情は簡単ではなかった。 そもそも自分から言いだしたことなのに。 長い長い時間、指を絡めて抱きしめてくれていた。 好きだよ、と言ってくれた。 素直に嬉しかったし私も大好きなのに、言えなかった。 未来のない「好き」は、虚しい気がした。 後になって、未来などなくても好きは好きじゃないかと後悔した。 未来がないことなどわかっていたし、閉じた世界に二人きりで存在する、 その空間に時々いることができたらそれでよかった。 成功不安。 うまくいきそうになると自分で壊してしまう。 どうかしてる。 恋愛の美味しいところだけを味わうキリギリスにバチがあたった。 最後の逢瀬ののちに外へ出ると、春の光が眩しかった。 想い
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