インク一滴

ホテルに着いて、ミネラルウォーターで一息つく。
ほどなく唇を奪われる。
舌が侵入してくる。
拒む事無く受け入れ、こちらからも舌を差し入れる。
ほどよく冷やされた舌の感触。。。
ひんやりしながらヌルヌルとして、
いつもとは違う生き物のよう。。。


この冷たい舌で、体中、愛撫されたい。。。
瞳を閉じながら切に願っている。

キスが好きだ。
と言っても、挨拶代わりのキスは殆どしない。
そのままsexにつながる濃い味のキス。。。


付き合い始めて間もない頃、始めてふたりで
食事をした時の事。
お酒を飲みつついろいろ食べて、デザートはひとつだけ頼んだ。
お店の人はスプーンをふたつつけてくれた。
私の側に置かれた冷たいデザートを、彼はためらわずに一緒につついて食べた。

素直に嬉しいと感じた。
同時に、まだしていない彼のキス、唇の感触を想像した。


実際にキスができたのはそれから何ヶ月も後になる。。。