インク一滴

暑い夏の一日。。。
仕事が終わり、バール風のお店で待ち合わせ。
夏の日は長くて外はまだ明るい。

カウンターで雑誌を読む彼の横顔がすぐに見つかる。
隣りに腰掛けて、早速ワインを一杯。
既に注文されていたおつまみをいただく。
サバのスモークや、パルミジャーノたっぷりのグリーンサラダ。
ライブの前に少し小腹を満たすつもりだったのだが、
パスタにリゾットも注文している。。。
お腹いっぱいになりすぎないか心配だったけれど、
そんなに小食ではない私は大丈夫なのだった。

ここはカフェのようでもあり、きちんとした食事もでき、
いかようにも使える。
カウンターだけれど幅広い（１mくらいありそう）テーブルで、
お店の人との距離感も絶妙。
ささっと作ってくれる料理はどれも美味しい。

一杯のつもりが二杯になり。。。
時間になったのでエスプレッソで締めて
ライブ会場へ歩いて向かう。


日没間際のまだ明るさを残す街。
少し気温も下がり、昼間の暑さはどこかへ行ってしまおうとしている。
風が吹くと少し涼しさも感じる。
いい時間だ。
暑さには弱いけれど、こんなひと時を感じるために、
その暑さが存在するような。。。
そんな気がした。

ライブ会場は大きなテントを張った中。
丸い天上へのライティングがプラネタリウムみたいだ。

マイルス　デイヴィスを敬愛するそのジャズマンのうねる様なサックス。
きれいな指。。
体の芯に重く響くベース。
音に体ごと包まれる時間。。。

会場を出ると、空はすっかり夜の色。
それぞれに激しい興奮を抱えて、それぞれの帰路につく。。。