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インク一滴

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恋は不思議(アスパラの季節)



職場の飲み会の日、早めに切り上げてデートすることになる。

あらかじめ、集合場所と時間を決めておき、それぞれ適宜抜けて落ち合う。

私は電車で向かう。先に席を立った。
彼はうまく抜けられるのかな?
ちょっと心配になり、「抜けられそうですか?」
とメールを入れる。
ほどなく「今タクシーに乗りました」とレスが。


待ち合わせのバル。
カウンターには数名座っていて、テーブルに案内される。
飲み物を考えているうちに彼が到着する。
グリーンアスパラのフリット、ホワイトアスパラのソテー、
桜鱒とりんごのマリネ、フォカッチャ。
冷えた白ワイン。
3ミリくらいの立方体に切りそろえられたりんごは、甘酸っぱく
さくさくしながらもしっかりとした歯ごたえがある。
少し火を通してあるような味の濃さ。
きれいなサーモンピンクの桜鱒によく合う。
ワインが進む。
カレー風味のお塩を添えたフリット。
衣の中でアスパラの香りが凝縮されて、ほくっとしてる。
今年はふたりで沢山アスパラを食べている気がする。
グラスの白ワインは数種類あり、上から順番にオーダーしてみる。
それぞれに美味しい。
メインのホワイトアスパラ。こんがり焼かれてパルメザンが香る。
茹で上げたものもおいしいけれど、この凝縮感。。。
しかもジューシーで最後はほろ苦い。
やっと露地物が出回って、これからもっと美味しくなると、
お店の人は言う。
まだアスパラの季節は終わらないようだ。
「パスタ食べられる?」彼の問いに頷くわたし。
結構大食いなのだ。
白魚とからすみのフェットチーネ。
これまた美味しい。
最後はエスプレッソにビスコッティをひとつ。
以前に、ひとつのビスコッティを彼がふたつに割ってくれて、半分ずついただいた。
そのことを私がとても喜んでいたのを、彼は記憶してくれていたようだ。
にやにやしながら待っていて、運ばれたのはふたつのビスコッティだった。
「え?!なんでふたつ?!」と思ったが、まぁ大人なので各自ひとつずつを自分で割って。。。

最後にちょっと不手際はあったものの、楽しい時間だった。
時計を見ると小一時間。
短い時間でも、一緒に過ごせる時間は嬉しく満たされる。
多分、たいそうなことは話していない。
「美味しい」「良い香り」「この本。。。」
というような、忘れてしまう様な事。
それでも、にやにやしながら帰途についている。
恋って不思議だ。






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