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インク一滴

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静謐と熱情。


予定外の仕事が入り、少し残業することになってしまった。
大急ぎで身支度をしてタクシーに飛び乗る。

少し雪の降る中、車は走り、
開演時間の少し前にホールに到着できた。

巨匠と呼ばれるチェリスト。
美しい娘さんがピアノ伴奏。

無伴奏の美しい静謐。
そのあとのピアノが邪魔と感じてしまうほど。
でも、ふたりで目を合わせてカウントを取る様子は微笑ましく、親子の愛情も感じる。
くるくるとウェーブのかかった長い髪をかきあげるのも、共通の仕草だ。

チェロにこぼれ落ちる汗を何度も拭き、
舞台袖に引く度に着替えて登場する。
力強く、余力を残す様な演奏ではなかったと思うのだが、
アンコールには実に5回も応えた。

始まりの一音で心を震わされ、鷲掴みにされてしまった幸せな夜だった。








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